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【ネタバレ感想】映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』原作信者の感想

というわけで公開初日に観てきました。

軽くネットの意見を見た感じでは賛否両論という印象を受けましたが、個人的には圧倒的にナシでした。スクリーンでドラクエの世界を体験できた点は良かったですが、色々と思うところが...

所々気になる部分がありながらも何だかんだ楽しんでいた所にあのラストはどうなんだ...

ドラクエ5に強い思い入れがある方は気を付けた方が良い作品だと思います。

※以下ネタバレ含みます

 

オチについて

紆余曲折を経て魔界の門が開いてしまったので、天空の剣の力でミルドラース降臨を阻止する最終盤の展開。仲間の協力もあって何とか門を閉じることに成功...と思いきや急に映像が止まって背景が真っ白になります。

そこに現れたのは魔界の王ミルドラース...のデータに埋め込まれたコンピューターウイルス。当然ミルドに似ても似つかない姿で、ゼルダの伝説のギラヒムに似ているなと思いました。

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ギラヒムとミルドラース(最終形態)

ウイルスの目的は本作の世界を壊すことで、さらにこの世界がVRでリメイクされたDQ5であることが明かされる超展開。リュカの正体は我々と同じゲームをプレイしている一般人でした。(VRをプレイしている間は現実世界の記憶は失われるという設定)

本作では幼年期の内容がダイジェストになっていましたが、その理由は主人公(プレイヤー)がゲームを始める前に「幼年期スキップ」なるオプションを設定したため。それ以外でも所々違和感を覚えるシーンがありましたが、それらもDQ5の新たなリメイク作品だと言い訳すれば一応整合性は取れています。

というかプレイヤーはDQ5好きという設定なら幼年期スキップしないと思うのですが…制作の都合が見え隠れしています。

正直なところ、シナリオ変更や尺の都合によるカットによって生じた違和感や矛盾をVRリメイクという設定で一発で解決可能、ということもこのようなラストを設定した理由の一つではないかと邪推しています...

少し脱線したので話を戻します。世界を壊したこのウイルスは第三者によって送り込まれたものでした。送り主の目的はゲームのプレイヤーに、

「いい年していつまでゲームで遊んでいるんだ、ゲームなんて所詮プログラム、早く大人になれよw」と伝えることでした。

?????

VRの世界を破壊してまで伝えたいことがお母さんの説教みたいな内容!?

脚本家はドラクエ、ゲーム好きに説教したいがためにこの映画を作ったのでしょうか?

作品の一つのオチとしてはアリかもしれませんが、王道RPGであるドラクエの映画でこんな裏切り方をされるとは思いませんでした。

しかも結局主人公は「ゲームのプレイ体験も現実」的な主張をしアンチウイルスソフト(これまで共に冒険してきたスラりんの正体)からロトの剣を授かってウイルスを撃破し、元の世界を取り戻します。作品を通して何を伝えたいのか分かりません。

というかそこはドラゴンの杖にしとけよ....

妻子とも再開して幸せそうなエンディングでしたが、これも所詮ゲームの世界だけの嘘家族なわけですからね。相当モヤモヤしました。

というか、このような筋書きにするなら元々主人公や仲間キャラが十分立っていて、ドラマ性の高いDQ5ではなく、DQ3などの方が適切ではなかったのでしょうか。

DQ5という名作をダシに脚本家の主張を伝えられた気しかしなくて本当に不愉快です。

良かった点

映像が綺麗

特にモンスターの動きが良くて、近年のドラクエ作品を忠実に再現していると思いました。特にキラーマシンが武器を振り回すモーション(伝われ)には興奮しました。

人物は鳥山絵ではありませんがすぐに慣れましたし、表情が丁寧に描かれている点が高評価です。

戦闘シーンも動きが激しくて見応え十分です。ギガデインやバギクロス等の呪文も格好良く演出されていました。

BGM

DQ5だけでなく他のナンバリング作品のBGMも採用されています。

他作のものだと覚えている限りでは、

2 この道わが旅

3 そして伝説へ

6 精霊の冠 迷いの塔 敢然と立ち向かう

7 オルゴ戦 愛する人へ

9 決戦の時

は確実に採用されていました。(一日経つと結構忘れちゃいますね...)

が、そこは5使って良くない?というシーンで他作品のBGMが使われていることも多かったことも事実です。

個人的には7の愛する人へ(キーファ離脱時)が好きなのですが、マイナー寄りだと思っていたので映画に採用されていて驚きました。ありがとうございます。

悪かった点

特に気になったものだけ。

フローラの扱い

プレイヤーがVRに潜る前に「ビアンカしか選んだことないから、今回はフローラと絶対結婚するぞ!」と自己暗示をかけていたにもかかわらず最終的に振られます。

フローラにプロポーズ→やっぱりビアンカが好き!(自己暗示粉砕)→ビアンカと結婚という流れです。

暗示抜きでは土俵にすら立てていなかったと考えると、フローラ派の人はキレていいと思います。

息子の名前と娘削除

息子の名前はアルスでした。何故に...?素直にレックス使うか、主人公リュカなのだからティミー、それ以外にもテン、クーパー、ペペル等候補は色々ある中、なぜ3、7主人公のデフォ名を使ったのでしょうか。

確かにアルスは人気の名前だとは思いますが...それは違うだろと言いたくなります。

そして娘の存在はなかったことにされています。確かに物語上必須のキャラクターではありませんが、DQ5の映画で娘を出さないという判断はあまりにも強気すぎる。

上映後、周りの観客からもタバサ削除を惜しむ声がチラホラ聞こえました...

キャラの性格

ビアンカ:大人ビアンカはフローラ程ではないものの落ち着いた女性に成長しているイメージでしたが、映画ビアンカは男勝りの部分が強調されている印象でした。あと口が悪い。でもこれはこれでアリだと思いました。

ヘンリー:一人称「余」。幼年期カットに伴い、パパスの叱責と死を受けて改心する流れはカットされています。なので青年期でも主人公との主従関係は続き、主人公はヘンリーに対して常に敬語で接します。

権力を振りかざすヘンリーは見たくなかったよ...パパスに命を救われたという自覚はあるようなのでそこは救いです。

ルドマン:フローラとの結婚を断った主人公に対して、「二度とこの町に現れるな!」とキレる。原作では盾と船をプレゼントしてくれる懐の広さを見せてくれましたがね...

表向きにはフローラを傷付けないため、ルドマンの逆鱗に触れたから結婚を取りやめたという設定にしていますが、主人公に対する怒りそのものは本心だと受け取れました。

 

 

本作は賛否両論かとは思いますが、今回の結果を受けて今後ドラクエの映画化が厳しくなりそうな気はします。原作ファンからすると素直に残念でした。