switchで遊べる不思議のダンジョン系のゲームを漁っていた所、『ドラゴンファングZ』が目に留まりました。2017年12月にリリースされているため、大分旬を過ぎた作品ではあるのですが、従来のローグライクRPGの常識を覆す斬新なシステムに感動を覚えたので今回記事にする形にしました。
ヘビーユーザー向けの作品?
本記事はメインストーリーをクリアした段階で書いていますが、ドラゴンファングZは同ジャンルのゲームと比較するとかなり難易度が高い部類かと思われます。本作のダンジョンは、
『竜のたまご』(10層)
『竜のゆりかご』(30層)
『竜の深淵』(50層、所謂もっと不思議)
の3つ+フェイの問題的なチュートリアルのみとなっています。
ゲームシステムに慣れてもらうことを目的とした『たまご』に加えて、不思議のダンジョンを語る上で外せないテーブルマウンテン、フェイの最終問題を彷彿とさせる2ダンジョンというシンプルな構成、おまけにストーリーも淡白であるため、とにかくゲーム性で勝負しに来ている印象を強く受けました。
『竜のゆりかご』自体の難易度もかなり高めで、独特なシステムに慣れることを抜きにしても、他作品のストーリーモードをよりも数段難しいのではないかと思います。私自身も不思議のダンジョンのプレイ歴は長い方だと思いますが、ストーリーを素潜りでクリアするのにそれなりの時間と挑戦回数を要しました。
開発陣もRTAを想定して制作していたそうで、ゲームテンポはデフォでシレン4の『速い』程度のスピード感でサクサク動きます。
UIとか移動も、ややスピーディ気味なのは、そのためです。開発スタッフ内でもスピーディすぎるという意見もあり、いっぱいバトルしてました!(もちろん、いい意味で)
— ドラゴンファングZ公式 (@dragonfangz_jp) 2020年2月8日
ローグライクの常識を覆した『竜人結界』システム
これが画期的。本作ではロゼ(自キャラ)の周囲8マスに壁や障害物が無い場合、ロゼが『竜人結界』を展開します。この状態を『ブレイブ状態』と呼び、モンスターが後述する『ファング』をドロップしやすくなり、さらにクリティカル率が増加します。
そしてこの状態でモンスターを攻撃すると、ファングのスキルが1チャージされ、さらにブレイブ値が増加します。これらは本作において非常に重要な要素であり、竜人結界を展開して立ち回ることが攻略のポイントとなっています。
従来の不思議のダンジョンでは、部屋内で複数のモンスターと遭遇した場合、通路に下がって1体ずつ処理することがセオリーでしたが、『ドラゴンファングZ』においてはあえて前に出て、結界を展開した状態で戦った方がアイテムの消費を抑えることが可能な場合も多いです。とはいえ当然突っ込みすぎても袋叩きにされてしまうわけで、この辺りの押し引きが本作特有の魅力かと思いました。
モンスターの牙を装備して冒険を有利に!
モンスターを倒した際に一定確率で『ファング(牙)』をドロップします。これは他作品のアクセサリに近いポジションのアイテムで、最大3つまで装備することが可能です。ファングには主に3つの効果があり、
・消費アイテムとして使う『ささげる』
・ブレイブ状態で一定回数攻撃することで使用できる『スキル』
・装備するだけで効果が発動する『ソウル』
全てのモンスターがこれら3つの効果に関して固有のものを持っています。
少し話が逸れますが、本作では満腹度の代わりに『竜の時』というシステムを搭載しており、最大値500、1行動につき1消費、フロアをまたぐと150回復といった仕様になっています。単純計算で150ターンしか行動できないためフロアを全て探索できるほどの余裕はなく、竜の時を回復するアイテムも存在しますが、パンやおにぎりのように沢山拾えるわけではありません。
ではどうやって竜の時を維持するかというと、上記画像の『もちの牙』を活用するわけです。装備しているだけでフロアを跨ぐたびに竜の時が50回復するスキルを持っているため、序盤でもちの牙を複数個入手しておくとかなり安定します。ファングは着脱自由なので、普段は戦闘用のファングを装備しておいて、階段を降りる時だけもちの牙で回復、といったことも可能です。
ファングの効果はバラエティに富んでおり、単純にステータスの底上げをするものもあれば、罠や状態異常を防ぐものもあったり、アイテムの複製やショップを目の前に出現させたりするトリッキーな効果も存在します。
総評
不思議のダンジョンを遊びつくしたという方にこそおすすめしたい作品です!難易度は高めなので、初心者の方には難しいかもしれませんが、ゲーム内チュートリアルが充実しているため、じっくりプレイすれば問題なくクリアできるようになると思います。