前記事では、3DS版をプレイした方に向けた「テリワンSP」の追加要素に関する私の評価と感想を書きました。端的に言うとリメイク、マイナーチェンジとしての出来映えを評価したつもりです。
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この記事のみだとテリーのワンダーランドを初めてプレイされる方にはどのようなゲームなのか伝わらず、やや不親切な内容になっていると感じたので、こちらで解説することにしました。
本記事を読んでいる方はこのゲームが所謂ポケモン的な「育成RPG」であることは最低限認識しているかと思います。普段からRPGを沢山プレイしている方や、ジョーカーシリーズ等、他のDQM作品をプレイしている方もいるはずです。
本記事ではそのような方を対象にした、「テリワンSP」を単なるRPGや育成対戦ゲームとして客観的に見た場合の評価を書きます。
RPGとしての「テリワンSP」
1.ストーリー要素は薄め!
RPGではストーリーが重視される傾向にあり、そちらを楽しみにされているユーザーも多いかと思われます。しかし、テリワンのメインストーリーの内容は非常に薄いです。「魔物に連れ去られた姉、ミレーユを探すために主人公テリーが異世界を冒険する」
という大目標はあるものの、あくまでゲームの導入部分における主人公の動機付けにすぎず、ダンジョンを攻略していくごとにミレーユの足取りが掴める、などといった連続性はありません。
「タイジュの国」を拠点に旅の扉から異世界へ行きモンスターを強化、格闘場を勝ち抜き次々と旅の扉を開放していくことがこのゲームの基本的な流れです。
また、異世界では不思議のダンジョンのようにランダムでマップが形成され、その最深部を目指す形で攻略するため、異世界内でも特にストーリーはありません。
最深部では歴代ドラクエの名シーンを再現したイベントの後、ボス戦が始まるのでその点はファンをニヤリとさせる嬉しい要素ではあるのですが...
このような淡白さもテリワンの魅力だと思っていますが、濃密なストーリーを期待していると肩透かしを食らってしまう気がします。
2.ランダム生成か?このダンジョン...?
前述したように異世界ではランダム生成されるダンジョンの最深部を目指すのですが、どうもお世辞にはランダムと言えないような...
あらかじめ用意してあるマップをつなぎ合わせることで1つのフロアを作っているのですが、マップの個数が少ないのか、頻繁に同じマップを引きます。
3Dグラフィックなので仕方がない面ではあるのですが、プレイヤーからするとやや退屈にも思えます。
3.操作性はめちゃくちゃ良い!
まずこのゲーム、キャラクターの移動速度がクソ速いです。RPGにおいて移動速度は重要な要素だと考えているのですが、そんな私からしても本作の移動速度は全くストレスを感じず、非常に快適でした。
本作はシンボルエンカウントなのですが、自分より速いシンボルはほぼ存在しなかったため、面倒な時は戦いを避けることも簡単にできました。
また、片手親指のみで全ての操作を問題なく行うことができ、スマホ向けにUIが工夫されていることも伺えました。他にもバッテリー残量と現在時刻が画面内に表示されています。オートランと視点変更は取って付けたような機能で微妙。
4.スマホ向けに調整された新システムも
攻略に役立つ要素として、「オート戦闘」「らくらく冒険」の2つが追加されています。そしてスマホでプレイする上では欠かせない「オートセーブ機能」も完備。オート戦闘を適用するとエンカウント後に即戦闘が終わります。基本的に勝利し、HPやMPの消耗はありません。らくらく冒険は1時間に1度使用でき、クリアしたダンジョンを自動的に探索しアイテム、経験値、ゴールド、モンスターをまとめて入手します。
「流石にゆとり仕様すぎんか...?買うのやめよ...」
と思う方も多いかもしれませんね。実際私もこの要素を知ったときは困惑しました。
でも実際に使ってみると、とてもプレイを快適にしてくれ、今では手放せない要素になっています。
ドラクエのレベル上げってメタル系モンスターを狩るのが定番なんですけど、そのためには攻撃力が高かったり、メタル狩りに適した特技を覚えさせたりしたモンスターが必要なんですよね。そこまで準備しても逃げられる可能性が残ります。オート戦闘を使えばぶつかるだけで敵が一瞬で溶けていくのでストレスフリーです。
レベル上げ、その他ゴールドやアイテムを含めた「めんどくさい稼ぎ」をこの2つの追加要素でカバーすることができます。
育成が楽なのはこの手のゲームにおいては素晴らしいことだと思いますね。
5.スマホで問題なく動作する?処理落ちやフリーズについて
これ結構気になる部分だと思います。スマホ移植ゲームは割と買ってるんですけど、中にはフリーズが多発してまともに遊べない作品も存在しますからね。
結論から言うと、全く問題なく動作しました。
本作はiPhone7、iPhone6sでプレイしましたが、当環境ではプレイ中にアプリが突然落ちることはありませんでした。1ヵ所のみイベントシーンで処理落ちが発生しましたが、僅かなものでプレイに支障が出るほどではないと感じました。
また、仮にフリーズした場合でもオートセーブ機能が優秀なので、基本的に直前の場面から再開できるはずです。3DSベースの作品を不自由なく動作させれる点は素直に凄いと思います。
6.育成対戦ゲームとしてはどうなの?
本作には究極配合という仕様が存在し、これを使うことで低ランクのモンスターでも最高ランクであるSSランク並みの強さを得ることができます。スライムやドラキーなどといったお気に入りのモンスターを実践レベルの強さへ引き上げられるのは育成ゲームとしては素晴らしいと思います。
歴代魔王等の人気モンスター、最新作のモンスターも登場するため育成に関しては十分楽しめるでしょう。
ですが対戦要素に関しては微妙と言わざるをえません。
今作ではDQMでおなじみのリアルタイム対戦要素が廃止されています。
IDを入力して知り合い対戦はできるのですが、データを参照しているだけなので、読みあいなどの駆け引きがある対戦をすることはできません。
育成要素が充実していることもあり、これは非常に残念でした。(要望が多ければ実装も検討するそうです)
総評
複数回リメイクされるほど根強い人気を誇る本作ですが、良くも悪くもストーリーが薄い点、育成ゲームでありながらリアルタイム対戦が無い点は購入前に知っておいて欲しいところではあります。
少し不満点もありましたが、問題なく動作し、育成ゲームとしての出来は素晴らしい作品です。隙間時間に少しずつ遊べるデザインも相まってスマホと非常に相性が良いといえます。テリワン未プレイの方には是非プレイしていただきたいゲームです!